2006年までは日本国内では圧倒的優位に立っていたMovable Type ですが、2007年からはWordPressが数の上でも逆転しています。これからサイト構築する場合、WordPressかMovable Typeかと聞かれれば断然WordPressでしょう。
Movable Typeとの違いについて簡単に2つの違いを紹介します。
WordPress は動的に記事を公開
実は Movable Type と WordPress の違いはほとんどなくなりました。どちらも優れたブログソフトとして世界中のユーザーから評価されています。 実現できることにほとんど違いはない両者ですが、その実現方法やシステム的な違いはいくつかあります。WordPress | Movable Type | |
---|---|---|
ライセンス | 商用でも無償(「GPL」オープンソース・ライセンス) | 個人事業、法人、団体での利用は有償(一部機能を削除したMTOS(Movable Type Open Source(ムーバブル・タイプ・オープンソース))はGPLライセンスで提供) |
記事の公開方法 | 動的 | 静的(動的も可) |
開発言語 | PHP | CGI(Perl) |
カスタマイズ | テンプレートタグ(PHP) | MTタグ |
サイトの再構築 | 不要 | 静的生成の場合、再構築作業が必要 |
WordPress Dynamic(動的)
WordPressは動的生成なので、PHPを利用してデータベースから情報を取得してページを生成します。 動的に記事を公開するWordPressはPHPで動作することも手伝って、記事の公開や管理画面の操作がMOvable Type に比べてかなり高速です。特に記事が多くなる場合はWordPressの管理画面の高速さはかなりのメリットになります。ページを表示するたびにデータベースを参照し、記事やテンプレートを編集をすると即座に反映されます。しかし、データベースを毎回見にいくため、サイトの規模やアクセス数が大きくなるにつれてサーバーに負荷がかかり、ページの表示が重くなる可能性もあります。しかし昨今のレンタルサーバーは高機能なものがほとんどなので、それほど気にする必要はないのでご安心ください。
MovableType Static(静的)
Movable Typeは基本的に静的生成です。 静的生成とは、データベースの情報をもとに、ファイルとしてページを生成することです。Movable Typeの場合は、「再構築」を行うことで、サーバー上にファイルを生成することが可能です。 生成するファイルの拡張子は、デフォルトではhtml形式になっていますが、css, js, xml, php, aspなどテンプレートの出力形式を任意にファイル毎に決めて出力することができます。 ただし、静的生成なので再構築を実行しなければ、ページの変更が反映されません。その仕様上、様々な場面で再構築が必要になり、サイトの規模が多きくなればそれだけ再構築の時間が長くなります。
一般的な共用サーバーだと、1つのブログに数百件以上の記事を入れると再構築ができなくなる可能性も出てきます。
WordPress はPHPでカスタマイズ
もう1つ重要な要素がカスタマイズの方法です。 WordPress ではPHPを使ってカスタマイズしますが、Movable Type はMTタグという独自のタグを利用してカスタマイズします。WordPress ではPHPの関数やライブラリをそのままテンプレート内で利用できます。 一方 Movable Type は独自のタグを使うので、PHPと組み合わせるには多少制限があります。ただ、MovableType にはそれを補うくらいの豊富なMTタグが用意されています。
PHPのリソースを利用できるところがWordPressのいちばんのメリットと言えるでしょう。また、これからPHPを学ぶ方にはWordPressの習得とともに効率よくPHPも学んでいけますので、万一WordPressを使わなくなったとしてもPHPの知識は無駄にならないでしょう。
結局、何を選ぶか
多機能なプラットフォームとなるCMSの中から、いかに「自分の目的にあったCMSを選ぶのか」という問題のほうが「WordPress か Movable Typeか」より重要になってきています。WordPress はもはや、総合的な情報発信基地として捉えるべきものになっているのですから、WordPress 以外の選択肢として候補にあげるのであれば、Movable Typeなどのいわゆる「ブログソフトウェア」について検討するというよりも、むしろ「Drupal(ドルーパル)」や「Joomla(ジュームラ)」などの、大規模な多機能ポータルサイトをつくることができるソフトウェアについて比較検討した方が、よりふさわしいといえます。
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